《記者コラム》今度は40時間!=2年連続で大停電を経験

昨年に続いて、またしても被害に遭ってしまった。このところ話題の大サンパウロ市圏大停電のことだ。
前回の大停電は昨年11月5日に発生し、その詳細については以前当コラムでも書かせてもらった。あの時は77時間。3日以上電気が戻らなかったことで、読者の方々からも随分反響を頂いた。
今回はその時ほどではなかったが、それでも40時間。ほぼ2日間にわたり、電気のない生活を強いられた。始まりは11日の午後7時30分頃、突如雨を伴った突風が吹いたことだった。その時、「もしかして」と嫌な予感がした。まもなく、部屋の中が真っ暗になった。
「またか」とは思ったが、その時は「諦めて早く寝よう。そのうちに戻ってくるかな」とあえて楽観的な気持ちでいた。すると、翌朝8時、電気は戻った。
「ああ、よかった」と思ったが、周囲の雰囲気が何かおかしかった。外に出ると巨大な大木が倒れ、電柱から電線が弛んだ状態で落ちていた。近所のショッピングセンターに行くと、手前の信号機に電気はついていない。「これはもしかして波乱が」と思い、家に帰ると悪い予感は的中。戻ったはずの電気は2時間ほどで消えていた。
昼食を買おうとショッピングセンターに戻ったが、その時にはどこも長蛇の列。発電機をつけて営業は行っているものの冷房がつけられない状態で空気が悪い。また、携帯電話を充電したかったが、コンセントはすでに埋まっていた。諦めて帰宅し、ガスコンロにマッチで着火して残り物を温めて食べた。
幸いにして、車で10分ほどの義父母の家は電気が回復していたので、コラム子と妻と子供2人でお世話になった。そこで一泊した翌日の昼、自宅アパートから「電気が戻った」との情報を受けて帰宅した。
それにしても運が悪い。前回もそうだったが、ブラジル日報のスタッフで2度ともこのような被害にあったのはコラム子のみ。どちらの停電も、市の南部、西部の在住者が主に被害にあっていることが関係しているのだろう。
奇しくも、サンパウロ市市長選を争っているリカルド・ヌーネス氏とギリェルメ・ボウロス氏はともに停電被害が大きなところに自宅がある。彼らが市民の受けた被害の大きさに腹を立て電力供給担当のEnel社を痛烈に批判するのは市政を担う政治家としてもちろんの行動だが、自身の地元が2度も続けて何時間も停電にあうとなったら、それは個人的に憤っても無理はない。両者ともにインスタグラムで20回以上、この話題を投稿するほど問題視しているのはそうした背景がある。
コラム子も日本からサンパウロ市に越してきて13〜14年が経つが、世界有数の大都市であるサンパウロ市の生活インフラがこのところ退化しているとしか思えない経験をしている。とにかく呆れるばかりだ。(陽)