森の夢
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=19
日本人は一妻多夫制かと思われたほど不自然な構成の家族すらあって、運平の目の前にいる二十一才の男と十九...2024年8月10日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=18
声をかけたのは牧之段愛熊という、二十一才の若者だった。彼の向う側に十九才の妻のツタと、妻の弟の十四に...2024年8月8日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=17
一応の要領を見届けてから、人々は家族毎に定められた畝に散っていった。樹が茂っているから見通しは利かな...2024年8月7日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=16
歩くほどもなく、すぐに今日の仕事場に着いた。五千本のコーヒー樹が車道で区切られて一単位の畑になってい...2024年8月6日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=15
運平は首を振った。 「便所はないよ。その辺の木陰でするのだそうだ。すぐ、放し飼いのブタが来て、片付け...2024年8月3日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=14
星明りの下に、黒々と蛇腹のようにうねって、長屋が幾つも並んでいた。近付けば近付くほど、それが粗末は小...2024年7月31日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=13
停車場の前に牛車が二台待っていた。車輪が大人の丈ほどもあって、一台を八頭の牛で曳く大掛りな牛車だった...2024年7月30日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=12
だが実務家的な面もあった。農場入りに備えて日常単語をコツコツと覚えておいたのも、その一面である。それ...2024年7月27日